ポルトガルの映画「バロン」を見に。
お昼からのドイツのも見たかったのだけど、
3時間の超大作に耐えられそうもなかったし、
起きられなかったのであきらめた。
不条理感。
想像することで恐怖を感じるってことですね。
ユーモアと恐怖。
あまりイメージがなかったのだけれど、
ポルトガルも吸血鬼伝説があるのですかね。
その辺の歴史とかを知っているともっと面白かったんでしょうな。
「バロン」 エドガル・ペラ監督 インタビュー
(Visão紙ウェブ版・2011年10月25日付記事から抜粋訳。翻訳: 木下眞穗)
「あらゆる吸血鬼は暴君であり、あらゆる独裁者は人民の魂をすすって生きている」 - エドガル・ペラ
ネオゴシックのリメイクと呼ばれることもあるが、エドガル・ペラ監督の「バロン」は実験的であり、型どおりの映画とは一線を画した作品だ。映像の上に映像が重なり、英語字幕が縦横無尽に現れ、編集も通常とは違う。ヴォゼス・ダ・ラジオの挿入歌、主演俳優ヌノ・メーロの怪演、前衛的とすらいえるほどの古めかしい舞台設定もその特異さに一役買っている。
- ブランキーニョ・ダ・フォンセカ(『バロン』原作者)の著作の映画化が続いていますが、映像化しやすい作家ですか。
監督:ブランキーニョは型にはまらない、特異な作家で、そういう作風が自分に重なる。彼は芸術や政治の教義に挑戦した。作品を読むと、ページがスクリーンとなって、読者=観客はそこに自分自身のイメージを描き出せる。屋敷内の詳細な様子とか、登場人物の過去とかを描くリアルな作品を作る作家ではない。だからこそ、作品に書いてあることだけではなく、そこに暗示されているものも映像化することができた。思考をイメージ化することができるのだ。登場人物は場面から場面へと飛び移り、瞬間移動する。登場人物のモノローグの途中で、それまでの場所ではなく、違う場所にいつの間にか移っているのだと観客は気づく。今回は、そのような映画を作った。
- 「バロン」はネオゴシックの恐怖映画のリメイクだということですが、それはなぜですか。
監督:第2次世界大戦中にアメリカとポルトガルが共同制作し、当時の独裁者によって破棄されてしまった映画が『バロン』の「オリジナル」で、それを「リメイク」したということだ。この作品では観客は当時のファシスト政権に検閲を受けた部分を自分の想像で補いながら観なければならない。その意味においてネオゴシックであり、心理的な恐怖映画なのだ。
- ドイツ表現主義の時代にまで時代を遡る、という考えですね。でもそれだけではなく、映画というものが、一般的な手法ながらも非常に創造的な映像と技術とを活用する術を心得ていた時代ということでしょうか。
監督:1940年代にまでさかのぼった。その当時の映画監督と競合するつもりで、映画製作におけるオルタナティブを摸索しつつも、同時に吸血鬼映画のカノンにのっとり、恐怖映画というジャンルの表現法を再発明することを試みた。
- 本作ではさまざまな要素がからまっています。サラザール政権下(独裁政権時代)という歴史的背景があるのは当然ですが、ドラキュラ伯爵を彷彿とさせるバロン(男爵)もいます。これはどう読み解けばいいのでしょう。
監督:あらゆる吸血鬼は暴君であり、あらゆる独裁者は人民の魂をすすって生きている。
- 編集のペース、映像に映像を重ねる手法、字幕の挿入方法、これらはすべて観客にとっても初体験になるのではないでしょうか。3Dという手法を使わなくとも、さまざまな技術を総動員してスペクタクル映画を作ろうという意図があったのでは。
監督:音が観客を包み込み、スクリーン上には旋風を巻き起こるような映画を作るのが好きだ。だが、アンチ3Dというわけではない。逆に、あれは観客を引きつけるひとつの手法だと思うし、映画の表現法を再構築するものだとも思う。まるで無声映画の初期と同じような状況ではないだろうか。ちなみに次の製作では3Dのショートフィルムを予定している。
- 一番最後にサプライズがありますね。あれは、絶望の果ての喜劇的な息抜きなのでしょうか。
監督:絶望は一切ない。私が構想した通りになっている。最後の3分間は、最後まで観てくれた人へのボーナスだ。
(聞き手:Manuel Halpern)
原文記事: http://visao.sapo.pt/edgar-pera-o-heroi-por-tras-das-camaras=f757892
Cast (in alphabetical order)
Marina Albuquerque |
The Teacher
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Marcos Barbosa |
Inspector
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Vítor Correia |
The Miller
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Leonor Keil |
Idalina
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Nuno Melo |
The Baron
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Jorge Prendas |
Mestre Alçada
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Rogério Rosa |
Criado da Taberna
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Miguel Sermão |
The Guard
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Paula Só |
The Grandmother
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Joana Loureiro |
Old Lady (uncredited)
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