江戸時代中期の京都において、他の誰とも似ない独自の絵画世界を打ち立てた伊藤若冲。その若冲ならではの独創性が如何なく発揮された作品として注目を集めているのが、静岡県立美術館が所蔵する《樹花鳥獣図屏風》です。枡目描きと呼ばれる奇想天外な描法で描かれる動物と鳥の楽園は、江戸時代の絵画のイメージを覆す、新鮮な驚きに満ちています。
「枡目描き」って?
まず、淡墨で縦横約1cm間隔の線を引き、画面全体に方眼を作ります。その上から、絵柄に合わせたごく淡い色を薄く塗って下地を作ります。次に、方眼一つ一つを先ほどよりやや濃い目の色で正方形に塗り込めます。その正方形の隅にもっと濃い色を小さく付け加えて、ようやく方眼一つの出来上がりです。必要なところにはさらに色をつけたり陰影を施したりして全体の調子を整え、完成。実に根気のいる、気の遠くなるような作業です。伊藤若冲が発明したと考えられる独自の描法です。
こんな絵が他にもたくさんあったの?
静岡県立美術館所蔵品と大変よく似た「鳥獣花木図屏風」(エツコ・ジョウ プライス コレクション/カリフォルニア)、現在額装になっている「白象群獣図」(個人蔵)がありますが、現存が確認されるのはこの3点のみです。昭和8年のある展覧会図録には同様の描法による「釈迦十六羅漢図屏風」の写真が掲載されていますが、残念ながら現在は行方不明になっています。
いろいろ描いてあるけど、これって何?
右隻は「獣尽くし」左隻は「鳥尽くし」で、それぞれ実在の身近なものから、外国産、はたまた空想上の生き物まで、様々な鳥獣が水辺に群れ集う風景です。「尽くし」の趣向や白象・鳳凰が各隻の主役であるところから、吉祥性の強い大変おめでたい屏風と言えます。この時代ならではの、若冲なりの「異国」の風景を表すとの説もあります。
山種美術館、初めて行きました。
3/1に行ったのだけど、次の日で閉展ということで、
夕方4時位だったにもかかわらず、チケットを買う列ができていました。
全体的には、まぁ、こんなものかーって感じで、
小一時間で満足で見終わってしまいましたが、
目玉の《樹花鳥獣図屏風》は凄かった!
「升目描き」とか、どれだけ手間がかかるんだろう。
天才っていうか、いい意味で頭おかしいよ。
白人系の外人の女性が、スマホで、
作品を撮っているのを目の前で目撃してしまい、
とりあえず、その時は係の人が気が付くだろうと思い、
スルーしたんだけど、
回るタイミングが同じだったのか、
また、目の前で撮ろうとしていたので、
さすがに作品保護の為だしと思い、
とっさに「写真だめー(変な英語)」と声をかけてしまいました。
後で、入り口付近にいた係の人に、声をかけてきたけど、
海外だとフラッシュをたかなければ写真を撮ってもいいところも多いし、
もっと分かりやすく、写真撮影禁止の案内を付けたほうがよいのに、
と思いました。
今後も海外からの旅行者は増えるだろうしね。
私も最初、どこに掲示してあるのか分からなかったし。