うらめしや~、冥途のみやげ展
最初に一室目(1章、2章)は、掛け軸がずらりと。
薄暗い照明で、所々に灯籠が置かれていて、雰囲気充分でした。
でも、私的にはあまりぐっと来るものはなかったです。
河鍋暁斎の幽霊画もあって、やっぱり目は引きました。
最後に展示されている、
鰭崎英朋の《蚊帳の前の幽霊》 の画にかけたのか、
蚊帳がホールの真ん中に吊り下がってさがっていました。
二室目(3章、4章)は、錦絵とか、浮世絵とか、能面とか。
男性の幽霊の作品も何点かあったけど、やっぱり滑稽。
女の恨みつらみって怖いけど、
幽霊が様になるのはやっぱり女性なのね。
全体的に見てみて、
後期の展示作品の方が良さげな気がします。
最近の展覧会って「後期」に良い作品を持ってくることが多いんだよね。
やっぱり、集客を考えてのことだろうし、
前期に来るようなやつは「分かってる」やつだから、
後期も来るだろう(2回来るよね?)って考えなんだろうね。
ヘレン・シャルフベック展
シャルフベックって、今回の展覧会で初めて知ったのですが、
とっても共感しました。
自画像が沢山あって、解説も色々とついているけれど、
自分自身を見つめるため、傷を癒すためであったんじゃないかと感じた。
《快復期》
26歳のときの作品。イギリス、コーンウォール地方のセント・アイヴスで描かれた作品。当時の題名は《初芽》であった。1888年、この作品でパリのサロンに参加。フィンランド芸術協会が買い上げる。パリ万博にも出品し、銅メダルを獲得。シャルフベックは国際的な名声を得た。シャルフベックが婚約破棄の痛手から立ち直りつつある心情が子供に託されたとも解釈されている。
少女に自分の姿を託したようなこの絵もそうだし、
子どもの絵、すべてに優しさと意志が感じられるんだけど、
足を怪我して歩けない自分を投影しているのかなと。
すべての展示作品を覚えているわけじゃないんだけど、
全身をきちんと書いている絵って、
3歳以下なんじゃないかと思われる女の子の絵と、
明確にモデルが居て、コンセプトが明確な絵だけなんじゃないかと。
上半身の絵は、自画像を含めて多かったけど、
下半身がはっきりと書かれている絵があまりなかったような気がするんだよね。
そういうことなんだと思った。