日 時:2019年11月15日(金)
18:30~20:40(開場17:30)
場 所:日経ホール
(東京都千代田区大手町1-3-7日経ビル3F)
主 催:国立民族学博物館、日本経済新聞社
趣旨
人文社会科学に先んじて、地域振興を進める内閣府や経済産業省、地方自治体が注目してきたクール・ジャパン。日本では、地域と強く結びついたアニメを観光資源に用いる「聖地巡礼」も、クール・ジャパンの潮流のなかで始まりました。しかし、日本から離れて海外の事例に目を向けたとき、同様の現象はどのような意味を帯びているのでしょうか。また、アニメをはじめとするポピュラー・カルチャーの流行サイクルの速さと、息長く持続させるべき観光振興は、はたして相性がよいといえるのでしょうか。文化や文化遺産の問題を地域の問題として考えてきた人類学者・民俗学者が、聖地観光の意味を考えます。プログラム
総合司会 飯田卓(国立民族学博物館教授)17:30 - 18:30 | 受付 | |
18:30 - 18:35 (5分) |
開会 | 藤井達郎(日本経済新聞社常務執行役員・大阪本社代表) |
18:35 - 18:40 (5分) |
挨拶 | 吉田憲司(国立民族学博物館長) |
18:40 - 19:00 (20分) |
概要説明 | 「遺産観光におけるバーチャリティ」 飯田卓(国立民族学博物館教授) |
19:00 - 19:25 (25分) |
講演1 | 「聖地巡礼のラビリンス――現代日本における旅・キャラクター・物語」 川村清志(国立歴史民俗博物館准教授) |
19:25 - 19:50 (25分) |
講演2 | 「アニメのある景観――中国地域の客家文化継承をめぐって」 河合洋尚(国立民族学博物館准教授) |
19:50 - 20:05 (15分) |
休憩 | |
20:05 - 20:40 (35分) |
パネルディスカッション | 川村清志 ×河合洋尚 司会:飯田卓 |
講演内容
概要説明「遺産観光におけるバーチャリティ」
飯田卓(国立民族学博物館教授)テーマ設定のきっかけとなった「文化遺産の人類学」について述べたあと、この分野が直面する課題として、不可視の実践の問題を提起します。すなわち、インターネット上でおこなわれる不可視のコミュニケーションとその表面化のプロセスを、どのように把握すればよいのか。この問題に関わって、総合討論では文化の概念についても議論します。
<講師紹介>
有形のものを修復によって保存するという従来の文化遺産学をのり越え、人びとの実践の反復によって有形無形の文化を次世代にひき継ぐという「文化遺産の人類学」を提唱している。著書に『海を生きる技術と知識の民族誌――マダガスカル漁撈社会の生態人類学』(世界思想、2008)、編著に『文明史のなかの文化遺産』(臨川書店、2017)などがある。講演1「聖地巡礼のラビリンス――現代日本における旅・キャラクター・物語」
川村清志(国立歴史民俗博物館准教授)アニメや漫画の舞台となった場所を巡る「聖地巡礼」は、2000年代以後に大きく展開します。聖地の中には、地方の自治体や企業を巻き込み、国際的な観光地に成長する一方で、ファンと地域社会が物語を超えた新たな関係性を築くケースもみられます。地域社会の実情に対応した関係性の深化に注目しながら、聖地の現在を考えていきます。
<講師紹介>
学術博士。日本の祭礼や民俗芸能を中心に、フィールドワークに基づく研究を続けてきた。メディアによる文化表象への関心から映像文化の批評やドキュメンタリー制作も行う。主な作品に『明日に向かって曳けー石川県輪島市皆月山王祭の現在』(DVD監督、2016)、『石川県輪島市山王祭フォトエスノグラフィー準備編』(川村清志・倉本啓之編、2018)などがある。講演2「アニメのある景観――中国地域の客家文化継承をめぐって」
河合洋尚(国立民族学博物館准教授)最近、台湾や中国本土では、景観デザインにアニメ・キャラクターをとりいれるという、新たな動きがみられます。この動きは、民族の文化遺産が失われるという危機と深くかかわっています。中華圏ではアニメはどのようにとらえられているのか。アニメを景観デザインとして使うことでどのような効果が期待されているのか。客家と呼ばれる人々を事例として、この問いに答えていきます。
<講師紹介>
中国南部における文化的景観の創出について、人類学の視点から調査研究を行っている。近年は環太平洋の漢族、なかでも客家と呼ばれる集団を調査の対象としている。著書に『景観人類学の課題――中国広州における都市環境の表象と再生』(風響社、2013)、『客家――歴史・文化・イメージ』(現代書館、2019)などがある。概要説明「遺産観光におけるバーチャリティ」
飯田卓(国立民族学博物館教授)講演1「聖地巡礼のラビリンス――現代日本における旅・キャラクター・物語」
川村清志(国立歴史民俗博物館准教授)講演2「アニメのある景観――中国地域の客家文化継承をめぐって」
河合洋尚(国立民族学博物館准教授)来ていた方々が、どうみても、
平日暇なおっさんばかりで、
せっかくのこういう公演も何の役にも立ちそうにない感じ。
もちろん、オタクっぽい若い人もいたし、
勉強に来ましたって感じの方もいたけれど、
ほぼほぼ、おっさん。
後ろのほうに座ったのだけど、
剥げてる頭の割合が多すぎてびっくりしたよね。
あまりこういうことを言いたくはないんだけど、
さすがに今回の客層は「これ、どうんなんだ?」と思わざるを得ない。
金曜日にやるなら、もう少し遅い時間でないと、
仕事している人はこれないよな。
いったい誰に向けて開催しているのか疑問の残る講演でした。