2014年6月6日金曜日

EUフィルムデーズ2014 6/3


フィンランド
365日のシンプルライフ
日本初公開
原題: Tavarataivas (My Stuff)
監督: ペトリ・ルーッカイネン
製作国: フィンランド
製作年: 2013年
上映時間: 80分
言語: フィンランド語(日本語字幕)
フォーマット: DCP






















8月からのロードショーを前に、
ジャパンプレミアでした。
上映前に監督・脚本・主演のペトリ・ルーッカイネンの挨拶と、
上映後にインタビューとQ&Aがありました。

凄い人気で、座席は満席、入れなかった方もいたようです。

配給元の「kinologue」の方は、
「断捨離ブームの日本にはまる、『今』の映画だと思って配給を決めた」
的なことを言っておりました。


真っ裸で雪のつもるヘルシンキの町中を
自分の部屋から物をあずけた倉庫まで、
駆け抜けてゆくシーンから始まるんだけど、衝撃的で面白い。

でも、最初はどうやって倉庫から部屋まで戻ってきたんだろうw?

ものを全部処分するのではなくて、
すべてを倉庫にあずけるってところがミソなんだよね。


以下、インタビューとQ&Aでのお話。

3年前の26歳の時こと。
「なんで自分は幸せじゃないんだ?物が悪いんだ」
との思いから始めたこと。
家ってなんなんだろうって言う探求。
最初は映画を作る気は全然なくて、
自分たちの楽しみとして、
記録的な物として映像を撮りためていただけ。
300時間分くらいある。
ビデオ日記のような物。
今思えば馬鹿だったなw。
すべてドキュメント、出演者はすべてリアルの人たち。
日本の前に7カ国で上映したけど、
どこの国でも受け止め方は似ている。
同じ時代を国境を越えて生きている。
こんな仲間が世界中にいっぱいいるんだよ。

物がないと人を頼る。
それまでよりも4倍くらい親密になった。
こんなことをやっているんだというと、だったら手伝うよと。
物にかけるエネルギー、これを買おうとかこれが欲しいとか、
これを維持する為にはとか、無駄なエネルギーがなくなり
ゆとりができた。
思いがけずマイヤ(ガールフレンド)と出会うことが出来て、今も良い関係。
ガールフレンドが出来て、ハッピーになって、
サクセスストーリーのようになってしまっているが、
自分をさらけ出すと案外いいことが起きる。
ぜひ、フィクションでないことを体感して欲しい。

パンツは2週間ぐらいはいていなかった。

最後に
「沢山のレーコードなどもあって音楽好きのようですが、
レコードなどはどうしたのですか?」みたいな質問があって、

「音楽は大切なものだけど、
今は、デジタルで聞いたり、映画はDVDでなくて映画館で見たり。
『自分が何を好きなのかということを
忘れない為に集めていただけだったと気がついた。』
最終的に少しだけ気に入っているものを持ってきて、
後は弟や友達などにすべてあげた」


って答えていた。

最近、CDが売れないだのなんだのの討論だか議論だか、
ミュージシャン同士が喧々諤々やっているけど、
この答えがシンプルで分かりやすい。

私自身CDは極力買わない主義で、
ライブに行くようにしているんだけど、
昔はCD買っていた。
それは、田舎にいてライブに行けなかったし、
物として持っていることで、
これが好きなんだとか、
売れる前から聞いているんだとか、
少し自慢できるところもあるしね。

物があふれるこの時代、
CDとして買って、
物として保持する価値がないような物なら売れるわけないよ。
売れない売れないじゃなくて、
価値のある「物」ではないから売れないだけ。
シンプルなことだよね。


いちばん最後に、サプライズとして
一緒に来日したマイヤが
客席の後ろの方から登場。
とてもかわいらしい方でした。


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