2022年3月22日火曜日

生誕110年 香月泰男展

太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描いたシベリア・シリーズにより、戦後美術史に大きな足跡を残した香月泰男(1911-74)の画業の全容をたどる回顧展を開催いたします。
山口県三隅村(現・長門市)に生まれた香月泰男は、1931年に東京美術学校に入学し、自身のスタイルの模索をはじめました。1942年に応召し、復員した1947年以降は、故郷にとどまって身の回りのありふれたものをモチーフに造形的な挑戦を繰り返しました。1950年代後半に黒色と黄土色の重厚な絵肌に到達した香月は、極限状態で感じた苦痛や郷愁、死者への鎮魂の思いをこめて太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描き、「シベリアの画家」として評価を確立していきました。
シベリア・シリーズは応召から復員までの主題を時系列にならべて紹介するのが一般的であり、そこではシベリア・シリーズのもつ戦争と抑留の記念碑としての側面が強調されてきたといえるでしょう。しかし、実際の制作の順序は、主題の時系列とはおおきく異なっています。
本展では、シベリア・シリーズを他の作品とあわせて制作順に展示します。この構成は、一人の画家が戦争のもたらした過酷な体験と向き合い、考え、描き続けた道のりを浮かびあがらせるでしょう。戦争が遠い歴史となり、その肌触りが失われつつある今、自身の「一生のど真中」に戦争があり、その体験を個の視点から二十年以上にわたって描き続けた、「シベリアの画家」香月泰男の創作の軌跡にあらためて迫ります。

<開催案内>
生誕110年 香月泰男展
会  期 2022年2月6日(日)~ 3月27日(日)
              ※途中展示替あり
                 前期:2月6日(日)~3月6日(日)
       後期:3月8日(火)~3月27日(日)
    
主  催 練馬区立美術館(公益財団法人練馬区文化振興協会)
監  修 山口県立美術館、香月泰男美術館
企画協力 一般社団法人インディペンデント












あまり好きな画風ではないので行くのを迷っていたのですが、
前期も見に行けば良かったかもと思うくらいには良かったです。

質感と画風が醸し出す雰囲気と、
顔の造形だったり、簡素化されたデザイン的な画面は、
不要なものを排除することによって、
見る者の想像や感情を引き出す要素となっていると思いました。


幾何学的な顔のデザインは、戦場において押し殺した感情の形なのかもとか。






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