2014年5月31日土曜日

EUフィルムデーズ2014 5/30

EUフィルムデーズ2014





















2年ぶりにEUフィルムデーズへ。
去年はフィルムセンターじゃなかったので行かったんだ。

初日の30日は仕事帰りに19時からの
イタリアの「塀の中のジュリアス・シーザー」を。



殺人や麻薬売買などの罪を犯して、
終身刑や長期の刑を言い渡された本物の受刑者たちが、
実在のレビッビア刑務所内で、
シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」
の稽古を行う囚人を演じるというドキュメンタリー風の映画。



最終部分で、キャシアス(コジモ・レーガ;終身刑)が言った台詞。

「芸術を知った時から、この監房は牢獄と化した」

字幕の時間が短いので、すっと過ぎてしまうのだけど、
なんだかぞっとした。


映画に出演している役者たちは全員服役囚ですか?
オーディションは映画内と同じ様に行われたのですか?
映画に登場する役者は重警備棟に収監されている服役囚たちです。正確に言うと、ブルータス役を演じたサルヴァトーレ・ザザ・ストリアーノはすでにレビッビア刑務所での刑期を終えています。彼は14年8カ月の刑期を言い渡され、6年10カ月服役し、恩赦を受けて現在は自由の身です。ストラトーネも同様です。唯一の「部外者」は演技指導講師のマウリーリオ・ジャフレーダでした。
オーディションはここ数年、シンプルで効果的な方法を採用しています。役者に、まずは愛する人に別れを告げるように、続いて税関で尋問を受けているかのように、二通りの言い方で名前や出身地を言って芝居してもらいます。一つは悲しみ、もう一つは怒りを表現してもらうのです。今回、主な役者は事前にファビオが選んだ服役囚たちの写真を見せてもらいながらキャスティングし、比較的簡単に決まりました。その他の役者たちのオーディションでは、プライバシーの理由で希望する者は仮名を使っても問題ないと説明しました。しかし驚いたことに、自分の本名、両親の名前、出身地を明かすことに誰一人として躊躇したものはいませんでした。しばらくして、彼らにとってこの映画は、外で暮らす人々に自分たちは刑務所の静寂のなかで日々暮しているということを思い出してもらう術になりえるということが分かりました。
カメラを通して彼ら一人一人を観ることで、我々は初めて彼らについて、また彼らが抱える真の痛みや怒りを知ることができました。

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