2015年6月13日土曜日

EUフィルムデーズ 2015 『イーダ』『ポーランド記録映画の世界』











原題/英語タイトル: Ida
監督: パヴェウ・パヴリコフスキ
製作年: 2013年
上映時間: 79分
製作国: ポーランド
言語: ポーランド語(日本語字幕)
ジャンル: ドラマ
上映フォーマット: ブルーレイ

6月6日 (土)の上映ではグディニャ・ポーランド映画祭のアーティスティックディレクターで批評家のミハル・オレシュチク氏のトークを予定しています。
また、同日14:00からの特別プログラム「ポーランド記録映画の世界」でもオレシュチク氏の講演を予定しています。

1960年代初頭のポーランド。孤児として修道院で育てられた少女アンナは、ある日院長から伯母の存在を知らされる。一度も面会に来ない伯母に興味を持ったアンナは彼女を訪ねるが、そこで伝えられた言葉に衝撃を受ける。「あなたの名前はイーダ・レベンシュタイン、ユダヤ人よ」。突然知らされた自身の過去。彼女はなぜ両親に捨てられたのか? イーダは伯母とともに出生の秘密を知るため、旅に出る。ホロコーストの悲劇、共産主義の抑圧といった歴史の波を背景に、一人の少女が意志を持った女性へと鮮やかに変貌していく様を詩的リアリズムで表現した傑作。




全編、モノクロで、
スタンダード・サイズ(横縦比が1.375:1または1.33:1の画面サイズ)
で作られていました。







〜上映前の説明〜
監督が子どもの頃、子どもの目で見たポーランド。
まだ戦争の記憶がなまなましいころ。
戦争の記憶のトラウマ。
監督はポーランドからイギリスに移住していたが、この作品で里帰りした。


〜Q&A箇条書き〜
1960年初め、戦争から十数年経ち、忘れたいと思いつつその声が聞こえてくる
テーマは大きく2つ
ヒロインの自分探し、アイデンティティー←答えは分からない
過去と将来を探そうとするポーランド
対極の存在、おばさん⇔イーダ
対称→建物の建築様式→戦前の建物、修道院⇔戦後の建物、ホテル
対称→音楽→クラシック⇔ジャズ
ラジオから流れていた音声→ポピュラー、政府のプロパガンダ
→政府は過去を人々に忘れさせようとしていた
でも、過去は忘れさせてはくれない
季節→晩秋、冬→再生を待つ
若者たちの音楽→西側の向こうからの音楽
西への憧れ、より良い世界を表している
「監督そのもの」→イギリスで映画人としてのキャリアをスタートさせた
対話の必要性
最後のシーン
問いを投げかける→ほぼ固定カメラ
揺れ動くカメラ→最後のシーンで主人公のイーダがこちらに歩いてくるシーンは手持ちカメラで揺れている
イーダのアイデンティティーが揺れ動く
世界が色々なモデルを表してくれる
おばさんのまねをしてみる→自分を捜す
最後に修道院に戻るのか戻らないのかは分からない、問いかけ
しかし、戻るでしょう
それはなぜ戻るのかを考えた上で戻るでしょう
理解して戻るだろう
なぜイーダの家族は殺されたのか?
ドイツ人に対する恐怖
かくまったポーランド人全員が死刑
この映画はカメラマンの腕も凄い
ここに描かれている物語は、豊かでさまざま
ポーランドは歴史がきわめて複雑


オスカー受賞作「イーダ」ポーランド気鋭の映画批評家が解説 #映画 #eiga http://eiga.com/l/Yht3w @eigacomさんから


おばさんの職業を判事にしたのは何故なのか知りたかった。
「死刑にしたのよ」
と言う台詞があったんだけど、
この時代にユダヤ人でしかも女性の判事。
そんな女性が最後に自殺してしまう。









「私の叫びを聞け」と「駅」
EUフィルムデーズ2013の上映作『私の叫びを聞け』(USLYSZCIE MÓJ KRZYK (HEAR MY CRY)/監督:マチェイ・J・ドルィガス/1991年/46分/ポーランド語[日本語字幕]【BD】)とクシシュトフ・キェシロフスキ監督の『駅』(DWORZEC/1980年/13分/[日本語字幕]【BD】)の上映と映画批評家ミハウ・オレシュチク氏(ポーランド・グディニャ映画祭アーティスティック・ディレクター)の講演を予定


〜Q&A箇条書き〜
戦後、「記録映画」としてのジャンルが出てきた
劇映画を上映する時に追加のプログラムとして上映
国家の援助が無くなると→テレビが取って代わる
記録映画の再生、ルネッサンスの時期に来ている
残念ながら、映画祭やテレビでの上映
「ヨアンナ」「私たちの呪い」
最近10年では、
ポーリッシュ・フィルム・インスティテュート
→フィルム作りを支援する国家の機関
ポーランド国内で映像配信者からの税金で成り立っている
この二本を見比べてみるとよく分かる
プロパガンダ、メタファ
「私の叫びを聞け」は検閲を気にせずに作られている
ようやく今到来した
成熟した、時代の成熟がなせる技
過去に表現できなかったテーマを表現できるようになった
明るい映画を期待している










この二作品の解説をしてくれた
ポーランドの映画批評家ミハウ・オレシュチク氏の通訳を
していた男性が、もの凄く上手くて、
「上手い」って失礼な感じだけど、
言葉や映画だけでなくて、
ポーランドの場合、歴史なんかも詳しくないと通訳できないと思うんですよ。
英語の通訳でも、下手で、質問者の意図とか汲み取れない方とか、
話している内容をきちんと通訳できていない人とかいる中、
もの凄くレスポンスも早いし、
言葉につまりもないし、すげー博学な方だなと感じたんです。
「すげーな」と。

で、どんなかたかお聞きしたら、
久山宏一」さんというかたで、
ポーランド広報文化センターの文化、ポーランド語担当と言うことでした。
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